101 小学校・総則
この動画は小学校・中学校の学習指導要領改定に向けた行政説明を行い、主体的対話的で深い学びの実装、デジタル基盤の活用、柔軟な教育課程編成、個別最適な学びと共同的な学びの統合という4つの方向性を概説している。
改定の方向性は学校現場の授業設計・教育課程編成に直接影響を与え、教師が今後取り組むべき具体的な変化の方向を示している。
Section summaries
イントロダクション・4つの内容概要
skip創速部会の行政説明が始まり、今回の説明は学習指導要領改定に向けた指導のポイントと審議状況、現行要領の成果と課題、デジタル学習基盤に応じた指導、多様な子供たちを支える柔軟な教育課程の4つの内容で行われることが示される。その後、改定の出発点として令和7年9月に中央協力審議会から論点整理が公表されたことが説明され、現在はその論点整理をもとに各部会で検討が進められていることが述べられる。
- 論点整理は改定の課題と方向を整理した文書であり、各部会の検討の基盤となっている
- 今回の改定はAIやデジタル技術の発展という社会の大きな変化を背景にしている
内容の全体概要を述べるだけで具体的な改定の詳細には入っていないため、後述の各セクションで詳細を確認できる。
学習指導要領改定の背景と3つの方向性
watch改定の背景としてAIやデジタル技術の発展により独自の発想や視点に価値が置かれるようになったこと、自らの人生を切り拓く力が求められるようになったことが説明される。論点整理では主体的対話的で深い学びの実装、多様性の保障、実現可能性の確保という3つの方向性が示され、これらの観点から多様な子供たちの深い学びを確かなものにするという考え方が述べられる。
- 社会変化が教育の価値観を変え、独自の発想や視点がこれまで以上に重要になっている
- 3つの方向性は相互に補完し合い、深い学びを確実なものにするための包括的な枠組みである
改定全体の設計思想を理解する上で最も重要なセクションであり、後の具体的議論の前提となる。
現行要領の成果と課題
watch全強化改定における改善点として、3つの柱で資質能力を整理したことや主体的対話的で深い学びを授業改善の視点として持続したことが挙げられる。一方で残る課題として、支出能力の深まりのイメージが掴みにくいこと、支質能力の複数の柱を一体的に育成するイメージが掴みにくいこと、教科書を教える授業本主義からの脱却に至っていないことが示される。こうした課題を解決し教師が深い学びを実現する事業のイメージを掴みやすくすることが不可欠であるとされている。
- 現行要領では資質能力の深まりや柱間の統合のイメージが教師にとって掴みにくいという根本的な課題がある
- 教科書を教える授業本主義からの脱却がまだ達成されていないことが改定の課題として残っている
改定が必要とされる理由を理解する上で不可欠であり、現行要領のどこが不十分だったかを示している。
資質能力の構造化とデジタル化
watch今回の改定では資質能力の構造化が図られ、個別の知識や技能が相互に関連付けられて理解が深まった状態を統合的な理解として整理し、個別の思考力・判断力・表現力等を総合的に働かせた姿を総合的な発揮として整理する。これらを合わせて資質能力と呼び、デジタル化も含め各資質能力の関係性を可視化することで深い学びを具現化しやすくすることを狙っている。
- 統合的な理解と総合的な発揮という2つの概念が新たに導入され、資質能力の構造が明確になった
- デジタル化を資質能力の関係性に含めることで、ICTを活用した深い学びの設計が可能になる
資質能力の再定義は改定の核心的な変更点であり、教師が授業目標をどう設定するかに直結する。
デジタル学習基盤と情報活用能力の方向性
watch現行要領では情報活用能力が学習の基盤となる資質能力として位置づけられ、ギガスクール構想により1人1台端末と高速通信ネットワークが整備されてきた。しかしデジタル学習基盤が前提となっていないこと、ICTの活用が道具的発想にとどまっていること、個別最適な学びと共同的な学びの関係整理が不十分であることが課題として示される。論点整理ではデジタル学習基盤の活用を前提とした新しい学びの方向性や各教科で情報活用能力を抜本的に向上させる必要性が示され、小学校の総合的な学習の時間に新たに情報の領域を位置づけ、中学校の技術家庭科を情報技術科に再編する方向性が説明される。
- 情報の領域が小学校の総合的な学習の時間に新たに付加され、情報能力を育む領域が増える見込みである
- 中学校の技術家庭科が情報技術科に再編され、技術分野での専門的な理解と探究的な学びでの活用が統合される
デジタル教育の具体的な変更点とその全体像を把握できるセクションであり、学校のカリキュラム設計に直接影響する。
多様な子供たちを支える柔軟な教育課程
watch小学校35人学級・中学校40人学級を例に、現在の学級には学習面や行動面で著しい困難を示す子供や得意な才能がある子供など様々な背景や特性を持つ子供たちが在籍しており、確実な教育課程だけでは十分に対応できない状況が示される。調整事業制度の創設により各教科の授業実数を固定的に考えず調整授業時数を設けて学校が教育課程全体を見渡しながら柔軟に編成できる仕組みが検討されている。また通級による指導や日本語指導が必要な児童生徒、校内教育支援センター等に通う児童生徒、特定分野に特別な才能のある児童生徒など個々の児童生徒に着目した特例的な教育課程の新設拡充も示されている。
- 調整授業時数により学校は各教科の目標を軽視せずに教育課程全体をマネジメントできるようになる
- 個々の児童生徒の状況に応じた教育課程の編成が学校全体の柔軟化に加えて新たに拡充される方向である
多様な子供たちへの対応として具体的な制度変更が示されており、学校の教育課程編成に直接関わる実務的な内容である。
幼小接続と駆け橋プログラム
watch幼稚園教育要領や小学校学習指導要領では子供の学びの連続性を一層確保し幼と小学校教育との円滑な接続を図ることが求められており、用障省の駆け橋プログラムが推進されている。具体的な取り組みとして幼児教育施設と小学校の合同研修会や保育参観、課題と小学校1年生の2年間の学びをつなぐカリキュラム作成などが挙げられる。駆け橋プログラムに取り組んだ自治体では入学期の児童の興味関心に合わせた指導、入学前の課題事項を意識した指導、幼児教育の考え方を参考にした教室環境や授業構成の工夫といった3つの改善が見られ、主体性を発揮している児童の数が大きく増加し1年生の低学級の不登校も減少する効果が確認されている。
- 駆け橋プログラムの効果として主体性の発揮や不登校の減少が具体的なデータで示されている
- 先生方の授業作りや子供の捉え方の変化が改善の大きな要因であり、カルタ作りのような子供の活動から出てきた課題を先生が捉えてルール作りに繋げるような関わり方が重要である
具体的な効果データと実践例が示されており、学校がすぐに取り組める具体的な行動指針が含まれている。
個別最適な学びと共同的な学びの一体的充実
watch不登校児童が大幅に増加している現状や教室にいる子供たちの多様な個性・特性を踏まえ、特定の指導方法を全員に採用しても全ての子供の主体的対話的で深い学びを実現できるとは限らないため、個別最適な学びが令和の答申で提唱された。しかし個別最適な学びを突き詰めると孤立した学びに陥るリスクがあるため、個別最適な学びと共同的な学びを一体的に充実していくことが大切とされる。山登りに例えた学習指導のプロセスでは、単元の冒頭で一斉の指導により見通しを持たせ、子供が教材と関わるために個別に学びを進め、自分の考えを広げるために共同の場面を加え、単元の終盤で全体指導による問いかけや補足説明を行う。単元の目標達成に向けて全体指導・共同・個別の場面を効果的に組み合わせて単元を設計することが教師の腕の見せどころである。
- 単元設計全体を見通して全体指導・個別学習・共同学習の3つの場面を効果的に組み合わせることが求められる
- 個別最適な学びにおいてICTを効果的に扱うことが有効であり、1人1人とみんなで学ぶ場面を織り混ぜることが重要である
改定の中心的な授業実践の変更点を具体的な単元設計の例とともに説明しており、教師が実際の授業に活かせる内容である。
埼玉県教育実践事例とまとめ
optional埼玉県では令和4年3月に小学校版、令和5年3月に中学校版の学習指導要領実践事例を公開し、令和7年3月に小学校版、令和8年3月に中学校版で追加事例を埼玉県のホームページに公開している。追加内容として小中学校における各教科の適切な指導と評価の充実やICTの効果的な活用方法について追加されている。最後に先生方には今後の審議の動向にもご注目いただきながら、日々の授業改善や教育課程の編成に生かしていただきたいとの締めくくりがある。
- 埼玉県の実践事例は各教科の適切な指導と評価の充実やICTの効果的な活用方法について具体的に示されている
- 改定の方向性は審議の動向に合わせてさらに更新されるため、継続的な情報収集が求められる
実践事例の紹介とまとめのセクションであり、具体的な資料の活用を促す内容だが、全体の論点を理解する上では必須ではない。
Key points
- 改定の3つの方向性 — 論点整理は主体的対話的で深い学びの実装、多様性の保障、実現可能性の確保という3つの観点から、多様な子供たちの深い学びを確かなものにする方向を示している。これらはAIやデジタル技術の発展により独自の発想や視点が重視される社会変化への対応でもある。
- 資質能力の再構造化 — 従来の知識及び技能、思考力・判断力・表現力等、学びに向かう力、人間性という3つの柱に加え、個別の知識や技能が相互に関連付けられて理解が深まった状態を統合的な理解、総合的に働かせた姿を総合的な発揮として整理し、これらを合わせて資質能力と呼ぶ。デジタル化も含め各資質能力の関係性を可視化する。
- デジタル学習基盤を前提とした学び — 現行要領では情報活用能力が学習の基盤となる資質能力として位置づけられていたが、ギガスクール構想による1人1台端末と高速通信ネットワークの整備を踏まえ、デジタル学習基盤が前提となっていないことやICTの活用が道具的発想にとどまっていることなどの課題が指摘されている。
- 柔軟な教育課程と調整事業制度 — 現行制度では各教科の授業実数が固定的に考えられているが、調整授業時数を設けることで学校が教育課程全体を見渡しながらより柔軟に教育課程を編成できる仕組みが検討されている。また通級による指導や日本語指導が必要な児童生徒への教育課程など、個々の児童生徒に着目した特例的な教育課程の新設拡充も示されている。
- 個別最適な学びと共同的な学びの統合 — 教室にいる子供たちは耳で聞いて理解するのが得意な子もいれば、書くことでアウトプットするのが得意な子もおり、特定の指導方法を全員に採用しても全ての子供の主体的対話的で深い学びを実現できるとは限らない。個別最適な学びと共同的な学びを同時に充実させるのではなく、それぞれの良さと留意点を視野に入れつつ単元計画を工夫することが求められる。
“主体的対話的で深い学びの実装、多様性の放設、実現可能性の確保、これらの観点から多様な子供たちの深い学びを確かなものにするという考え方です。” — 創速部会の行政説明者
“デジタル学習基盤が前提となっていないこと。” — 創速部会の行政説明者
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